〜初めに〜


        走り始めた運命の果てに、何が待っているのか――――。


・この物語は『アンジエリーク』の、リモージュちゃんたちの女王試験が始まる前を舞台とした外伝です。
はっきりとした時期は定めておりませんが、女王の力に翳りが見え始めた頃になっております。
風の守護聖・ランディがお話の中心となっておりますが、勿論他の守護聖たちも登場します。
ただ物語の都合上、女王はきちんとしたかたちでは登場しません(名前等が出てくるぐらいです)。

宇宙を支える女王の力――その加護を誰もが疑いもしていないある日のこと。王立研究院からひとつの報告がもたらされます。
曰く、「宇宙に二つの力が満ち始めている」と。ひとつは「負」と分類される力。もうひとつは、それとは全く対極にあたるそれ。
守護聖たちが言いしれぬ予感を抱く中、ランディは何かが自分に語りかけてくるのを感じます。
他の者には聴こえない呼び声――それが導く先にある、新しい出逢い、恐るべき敵、危機、そして謎……。
時に迷い、時に傷つきながらも、ランディは運命に立ち向かっていきます。
それがやがて、宇宙の存亡をかけた戦いとなることを知らずに――。

 オリジナル要素を多量に含んでおりますので、そういったものが苦手な方・嫌いな方はご遠慮下さいね。


 ・主な登場人物:守護聖全員、ディア
  オリジナルキャラ:ユレン、キララ、ツァイフォスなど
     アンジェリーク
〜遙かな風に抱かれて〜



      written by 風見野里久
 物語
 タイトル  あらすじ
 プロローグ ジュリアスの召集を受け、宮殿へと向かうランディとマルセル。途中でランディの様子がおかしくなり……!?
 第一章 風を裂く滅びの声 宇宙についての話が進む中、どこか心ここにあらずといった様子のランディであったが……!?
 第二章 深淵なる世界の囚人 ランディが昏々と眠る中、他の守護聖たちは不安と苛立ちを募らせていく。その頃、ランディの意識はどことも知れぬ深い闇の中を彷徨っていたが……!?
 第三章 誘い(いざない)の翼 囚われたランディの心を救うべく、行動を開始する守護聖たち。ランディ自身も、必死で『それ』に抵抗する。そこへ舞い降りてきたのは――!?
 第四章 迫りくる魔手 「――これはただの始まりにすぎない」
クラヴィスのこぼした、予言めいた言葉。その言葉の陰で、『それ』はすでに動き出していて……!?
 第五章 喪失の予感 リュミエールが、ゼフェルが、それぞれ胸中に不安を抱える中、マルセルの身には異変が起こっていた。そして、療養中のランディの元にも……!?
 第六章 この手よりこぼれゆく…… 「マルセル」によってゼフェルは倒され、ランディにも危機が訪れる。そこへ現れた「蒼銀の輝き」を前に、彼の胸をよぎったのは、冷たい予感で……。
 第七章 蒼銀の瞳の青年  自分のために犠牲となった命を思い、悲嘆にくれるランディ。そんな彼の心を救ったのは、かの人を思わせる青年で……。