緑内障は種々の原因で起こる。緑内障の原因により症状も異なり、緑内障原因で治療も異なる。緑内障を起こす危険因子や緑内障原因を早期に知れば、前駆緑内障、初期緑内障から緑内障進行を抑える可能性がある。
緑内障の原因 Ⅰ.開放隅角緑内障の原因 ①房水流出路の上強膜静脈圧の上昇、②.眼圧依存性視神経症、多因子疾患(遺伝性、加齢)、③前房出血、④水晶体起因性、⑤色素性緑内障、⑥外傷、⑦落屑性緑内障、⑧ステロイド緑内障 Ⅱ.閉塞隅角緑内障の原因 ①急性原発閉塞隅角、瞳孔ブロック、②慢性閉塞隅角、③炎症性、④虹彩角膜内皮症候群、⑤血管新生緑内障、⑥プラトー虹彩、⑦手術後続発閉塞隅角、 Ⅲ、隅角発育異常緑内障の原因 |
緑内障の原因/ たかせ眼科緑内障外来 緑内障ヘルプ
緑内障は視神経障害と、これに伴う視野障害が起こり、経時的に緑内障は進行する。
眼圧を十分下降させると、緑内障改善 進行停止が起こることから、眼圧上昇が関与している緑内障もあるので、原因の一つに眼圧上昇がある。
Ⅰ開放隅角緑内障
①上強膜静脈圧上昇が原因の眼圧上昇による開放隅角緑内障は、甲状腺眼症、上大静脈症候群、眼球後腫瘍、Sturge-Weber症候群、眼窩静脈瘤、内頚動脈海綿静脈洞廔、などが原因。
②原発開放隅角緑内障では、眼圧上昇、家族歴、加齢、高血圧、心血管系疾患、糖尿病などが危険因子で、これらは原因とも考えられる。
眼圧21mmHg以上は狭義の原発開放隅角緑内障、眼圧がそれより低い緑内障を正常眼圧緑内障とする。
正常眼圧緑内障危険因子は家族歴、低血圧、高齢、血管痙攣、角膜中心厚の薄い場合など。日本では緑内障の70%が正常眼圧緑内障と言われ、鑑別診断が特に重要です。
③前房出血で眼圧上昇をきたすが、前房出血の原因は多彩。眼外傷、白内障手術後、緑内障手術後、網膜硝子体手術後、虹彩・隅角血管新生(眼内腫瘍、糖尿病、網膜出血、など)、虹彩炎など。
④水晶体起因性緑内障の原因は、水晶体融解、水晶体手術後の水晶体残片、レーザー後嚢切開後、などに見られる。
⑤色素性緑内障は、日本には少ない。続発性では、外傷・落屑症候群・ガンナイレンズ挿入眼などに見られる。
⑥外傷性、隅角開離緑内障は眼外傷が原因のことが多い。前房出血も眼圧上昇。
⑦偽落屑症候群は70才以上に約5%見られ、その約半数に緑内障が見られる。眼圧上昇は偽落屑が繊維柱帯に詰まることである。偽落屑の本体は不明。
⑧ステロイド緑内障は、ステロイドレスポンダーにステロイドを投与したことで起こる。
Ⅱ、閉塞隅角緑内障
急性原発閉塞隅角緑内障は隅角が狭い眼の構造が原因となる。危険因子は遠視、家族歴、高齢、女性。慢性閉塞隅角緑内障に移行することもある。
続発緑内障は血管新生緑内障、虹彩炎による緑内障、ぶどう膜炎による緑内障など原因疾患が明らかなものである。
Ⅲ、隅角発育異常緑内障
発達緑内障は、隅角形成異常が原因。
更新日2013年3月24日