第四章    ただひとつの想いのために……





 晴れわたる空の下に爆音が轟き、赤や落日色をした閃光が弾けて散る。大地がえぐれ、舞い上がる土砂と黒煙が陽光を遮る幕となる。その中へ無数の機獣たちが、明確な標的も定めぬままに、レーザーやミサイルを撃ち込んでいく。数が数であるだけに、光の豪雨にも等しいそれは、たとえ狙っていなくとも煙幕の向こうにいる相手を撃ち倒すはずであった。が、遮られた視界の向こうから響いたのは、断末魔の叫びとは無縁のものだ。戦意あふれる、誇り高き獅子の咆哮。それが大気を震わせた時、元軍人たちは自分たちの発する驚愕の叫びを聞いた。
 風なき風を起こす蒼き獅子の左右に、ブレードが音を立てて展開する。
「突っ込むぞ、ジーク! ライガー!」
 相棒たちの頼もしい返事を聴きながら、バンはブースターを起動させ、スロットルを全開にした。二体のガイサックの間を、ブレードライガーの身体が疾風となって駆け抜けていく。光刃が大気に軌跡を描き、一拍の間をおいて、切り裂かれたガイサックの脚部から爆発が生じた。悲鳴を上げて二体の機竜が横転する。
 ブレードの届かぬ位置にいたゾイドの何体かが、必然的に自分たちに背を向けるかたちとなった蒼き獅子へと、それぞれ狙いを定めた。まさに砲口が火を噴く瞬間、どこからともなく飛来した火球が、彼らの背で炸裂する。それが誰によるものかを、バンたちは正確に知っていた。
 少し離れた場所にいるディバイソンのコクピット内では、トーマが相棒たちに指示を出している。
「ライガーたちを狙うゾイドから優先的に叩く。ビーク、こちらに対する敵の動きに注意していてくれ。ディバイソン、頼むぞ!」
 十七連突撃砲が臨界を迎え、撃ち放たれた。光の奔流は虚空で四散し、計十七本の光線となって大地に降り注がれる。いまこの戦場において、おそらく最強の火力を誇るであろう機獣の攻撃に、モルガなどの比較的小柄なゾイドたちは、ほとんど一撃で沈黙していく。
 ガーディアン・フォースの主戦力と目される二体のゾイドの動きに、元軍人たちは戦慄を覚える。正直な話、ひよっこだと思っていたのだ。多少ゾイドの扱いに長けているだけの、ただの子供だと最初からなめてかかっていた。軍人としての経験も豊富で、何度も戦場に出たとこのある自分たちが束になってかかれば、ひとたまりもないだろう。そう思っていた。だが、実際はどうであろうか。翻弄されているのは、経験豊富なはずの自分たちの方で、あろうことか次々と撃破されていくではないか。
『何をしているっ!? 敵の数は少ないぞ! 貴様ら、それでも元は軍人か!?』
 通信機から飛び出してきた怒号に、残った元軍人たちは一斉に我に返った。無意識のうちに下がってしまっていた頭を持ち上げる。
『あんなガキどもになめられて、悔しくはないのか!? 討て! 我々に逆らう者、我々の栄光を奪う者は、ひとり残らず討ち滅ぼせ!!』
 司令官が唾を飛ばしながら放った激励は、どうやら功を奏したようであった。じりじりと後退を始めていた部隊の足がとまり、にわかに勢いづく。操縦者たちの眼光にも戦意が甦り、それに応えるように機獣たちの口から咆哮が上がった。
 司令官の言葉は、通信回線をとおしてガーディアンたちにも聞こえていた。
 ――ふざけるなっ!
 翡翠の瞳をした少年は、胸底を焦がすような感情に掌を握りしめる。軍は、軍人は、国とそこにある命を護るために存在している。否、そう在るべきなのだ。それなのに、護る者から奪う者へとかわっておきながら、何が栄光だ。何が元軍人だ。
「笑わせんじゃねぇっ!!」
 トーマが言いたかった台詞は、賞金稼ぎの青年の声で放たれていた。戦場を駆ける漆黒の稲妻が、三体のダークホーンの首筋を引き裂く。厚い装甲を持つダークホーンは悲鳴こそ上げたが、倒れるまではいかず、バルカン砲を乱射する。
 アーバインは舌打ちせんばかりに吐き捨てた。
「てめぇらは、ただの薄汚い賊だろうがっ! 元軍人が聴いて呆れるぜ!」
 追いすがってくる銃撃を避けつつ、ライトングサイクスは前足を軸にして身体を反転させる。反転しざまに撃ち放たれたパルスレーザーが、今度こそ機竜たちのシステムをフリーズさせていった。
 右に左にレーザーを避け、アスールは地を蹴った。ゴドスの身体に体当たりを喰らわせ、倒れ込んだところに鋭い爪を振り下ろす。間髪入れず、青き狼の背に搭載された二連装ビーム砲が、横手から迫る別のゴドスに砲火を浴びせる。それでもなお立ち塞がるゾイド群に、紺の髪の青年は歯噛みした。
「まずいぞ、アーバイン! このままでは、囲まれるっ!」
 バンやトーマによる奇襲の混乱に乗じ、相手の陣形を乱しつつ部隊の最後尾にいるゾイド――アイアンコングを目指したまではよかった。だが、敵は先ほどの激励で、崩れかけた陣形を立て直し、これ以上の進撃を阻んでくる。さらには、コマンドウルフとライトニングサイクスの機動力にものをいわせ、置き去りにしてきたはずの機獣群が、いまや背後を脅かしつつあった。
 追い求めていた仇敵が、すぐそこにいるというのに――!
 思うように進めないもどかしさが、ロイスの心中を掻き乱す。
『俺が後ろにつく! お前は前だけ見て進め!!』
 ライトニングサイクスは肉薄してくるミサイルを撃ち払い、避けながら、機動力の劣るゾイドを中心に薙ぎ倒していく。
「しかし、それでは――!」
 アーバインの背後が無防備になってしまう。そう言おうとして、ロイスはぐっと唇を引き結んだ。選べる道がないのだ、他に。いつ限界を訴えるかもわからない自分の身体では、立ちはだかる者を全て倒して進む、などという悠長なことは言っていられない。バンやトーマもできる限りこちらを援護してくれているが、彼ら自身にも攻撃の手は加えられており、これ以上頼るわけにもいかぬ。となれば、アーバインの言うとおり、前だけを見て進むしかないのだ。
「――すまない。その気持ち、ありがたくもらう!」
 紫水晶の瞳をした青年が苦い表情で言えば、アーバインは笑ったようであった。通信機から笑みを含んだ返答がある。
『おう! 心配すんな、そう簡単に俺たちはやられねぇよ!』
 いまは、その言葉を信じるしかない。ロイスは薄く笑い、正面へと視線を向けた。部隊の最後方にいる、大型ゾイドを視界の中央に据える。
「いくぞ! アスール!!」
 青き狼の咆哮が、晴れわたる空の下に雄々しく響いた。




 さらに激化する戦闘に、グスタフから見守っていたムンベイは顔をしかめた。
「元軍人は伊達じゃないわね。態勢を立て直してから、動きが見違えたわ」
 当初優勢であったはずのガーディアン・フォース側が、少しずつ押されてきている。何しろ数では、あちらの方が圧倒的に有利なのだ。四方を囲まれた状態で、消耗戦を仕掛けられれば、いくらバンたちでも苦しい展開になるだろう。
「バンたちの実力なら、負ける心配はないけれど――」
 フィーネの双眸が憂いをおびる。彼女はムンベイ同様、仲間たちの力に全幅の信頼をよせてはいるが、このままでは別の心配をする必要がありそうだった。そして、彼女の懸念は、まさに現実のものとなり始めていた。
「――!? ムンベイ、それ貸して!」
 突然真紅の双眸を見開いたかと思うと、金の髪の少女はムンベイの手からスコープを奪いとった。この少女にしては少々荒っぽい、らしくない行為に、褐色の肌をした娘はわずかに顔色をかえる。
「どうしたの……!? 何が――」
「あれ! アイアンコングたちが後退を始めているわ!」
 フィーネは座席から立ち上がり、戦場の一角を指し示す。褐色の肌をした娘は、驚いてそちらに視線を投げやった。立ち上がって身を乗り出し、砂塵の舞う戦場を凝視する。必死で眼を凝らしたものの、残念ながらフィーネの言葉を確かめることはできなかった。自分より遥かに視力の優れた彼女が、スコープを使って確認するほどの距離である。無理もない話であった。
「フィーネ、アイアンコングはどっちに逃げてるの……!?」
「東よ。アイアンコングの他に、セイバータイガーが二体と、ガンスナイパーが三体」
「了解!」
 自身の眼で確認することはできずとも、ここは隣にいる少女への信頼の方が勝る。ムンベイは急いで通信回線を開いた。
「こちらムンベイ! バン、アイアンコングが戦場から離脱しようとしているわ!」
『――方角はっ!? あと、どのくらいの数がそれに続いている!?』
 金の髪の少女の言葉を、ムンベイはそのまま伝えた。すると通信機の向こうから、奥歯を噛みしめる音がする。
『ちくしょうっ! 俺たちは動けないっ――トーマは……!?』
『ダメだ、こちらも身動きがとれない!』
「誰か、動ける奴はいないのかいっ!?」と、苛立つ感情を褐色の肌をした娘が音にしようとすれば、寸前で滑り込む声があった。
『――俺たちがいく』




 グスタフ側からの報告は、ガーディアン・フォース側の全員に伝わっていた。群がる敵を追い散らしつつ、ひたすらアイアンコングを目指していたロイスは、その動きにいちはやく気づいていた。相棒である青き狼が、怒りに満ちた唸り声を発する。
「そうか……お前の前の相棒も、こうして見捨てられたのか」
 苦い表情で唇を噛み、ふと皮肉っぽい笑みを浮かべる。
「いや、いまの方がまだマシか。以前は味方だったはずの連中から、集中砲火を浴びて、その上で敵陣の中に置き去りにされたんだものな」
 信頼して預けていたはずの背に攻撃を受けて、どれほど痛かったことだろうか。身体は勿論のこと、心も――。
 仲間に裏切られて、だんだんと冷たくなっていく相棒を身の内に抱えて。「彼」が事切れた瞬間、空高く響きわたったアスールの叫び――その、言葉には表すことのできぬ慟哭が、自分たちを出逢わせたというのは、何とも皮肉としかいいようがなかった。
 いま、自分たちの眼前にいるのは、仇の片割れともいうべき者たちだけれども――。
 本当は、憐れむ相手ではないのかもしれないけれども――。
「俺たちの前で、同じ痛みを繰り返させるものか――!!」
 焦れたように叫ぶバンたちの声の間に、自身のそれを滑り込ませる。
「――俺たちがいく」
 短く、はっきりとそう告げた時には、青きコマンドウルフは目の前の敵を踏みつけ、逃げる一団に向けて駆け出している。通信機から制止の叫びがいくつも上がるが、紫水晶の瞳の青年は一瞬の躊躇いの後、回線を遮断してしまう。
 追いかけようとしたライトニングサイクスは、しかし、複数のゾイドがつくる、生きた壁の前にとまらざるをえない。
「ロイス……! こ、のっ……馬鹿野郎――――っ!!」
 決して、曲げることのできない心がある。揺るがせてはいけない想いと決意がある。それはわかっていた。わかっていたけれども、それでも、アーバインは叫ばずにはいられなかった。





 戦場を抜け、猛然と追いすがってくるコマンドウルフの姿に、アイアンコングに搭乗していた男は不快そうに顔をしかめた。あの機獣には、奇妙な既視感を覚える。
「チッ、コマンドウルフにはいい思い出がねぇってのに……!」
 元共和国軍軍曹である男の顔には、左の額から顎近くまで縦に醜い傷痕が走っている。かつての帝国軍元帥の誘いにのって、自軍のエースを罠にはめた際に、予想外の反撃を受けて負わされたものだった。
「強い奴になびいて何が悪い。それをあの野郎、俺様のことを恥知らず呼ばわりして、最期まで抵抗しやがって……!!」
 役には立ってくれたがな、と元軍曹は悪意に満ちた嗤いを浮かべる。金銭と帝国の元帥の名をちらつかせれば、部隊の者たちは皆寝返りを約束した。当時共和国は劣勢に立たされており、その士気は萎えがちだったのである。だが、「彼」にだけは、話を持ちかけなかった。「彼」が誇り高い軍人であることを知っていたし、何よりも、帝国軍に一目おかれるためには、「武勲」が必要だったのだ。
 かのエースの腕は、本物であった。戦力で勝っているはずの帝国軍を、たった一体で何度も退けるほどに。自身の相棒を信じ、仲間を信じ、故国を護るために生命を懸けていた。早急に信頼を得るために、てっとりばやく手柄をたてる必要があった元軍曹には、彼ほど格好の「生け贄の羊」はいない。常にそうしてきたように、先陣をきる背中に砲弾を撃ち込んだ時は、嗤いがとまらなかったものだ。
 自覚のない、恥知らずな思考は、半ば強制的に中断させられた。怒気にあふれた鳴声が、意外なほど近くまで迫ってきている。
「防げ!」
 左右を護っていた部下に吐き捨てるように命じ、アイアンコングはさらに逃げ続ける。
 元軍曹の命令を、三体のガンスナイパーは忠実に実行した。機首をめぐらし、きた道を振り返ると、両腕に搭載されたビームマシンガンを乱射し始める。さらに背中に積んだ二つの八連装ミサイルポッドからも、次々にミサイルが飛び出す。
 光弾と火線が虚空を縫いつけていく。死と破壊を呼ぶ縫い目の中を、青き狼は左右に避けつつ走り抜ける。数が数だけに、途中数ヶ所被弾するものの、駆ける速度と勢いは少しも衰えない。それどころか、さらなる戦意をみなぎらせて、ガンスナイパーたちに肉薄する。
「どけぇぇ――――っ!!」
 裂帛の気合をアスールの爪と牙にのせ、ロイスは横一列に並ぶ機竜の真っ直中に突っ込んだ。右の爪の一閃で、ガンスナイパーの腕を斬り飛ばし、間髪入れずその喉元を噛み裂く。懐に飛び込まれ、慌てふためく残りの二体を瞬く間に沈黙させ、青きコマンドウルフは再び駆け出した。
 と、足止め部隊がやられたことを悟り、二体のセイバータイガーが足先を転じて向かってくる。
「――――っ……!?」
 思わず舌打ちしようとした瞬間、身体の奥で不自然な脈動が生じた。
「ぅ……あ、う…………っ!!」
 芯を灼き焦がすような苦痛が、身の内で暴れまわる。喉がひきつり、呼吸が遮られ、眩暈がする。
 熱い、あつい、アツイ――――!
 身体に刻まれた傷痕が熱をもち、心臓が鼓動をひとつ重ねるごとに苦痛が増す。意識も思考も、全てが灼き尽くされそうになる。
 まだ、だ。
 まだ、死ねない。
 約束、したのだ。あの日、無念のうちに死んでいった「彼」の亡骸を、アスールと一緒に葬った時に、自分たちは約束した。いつの日か、必ず「彼」の仇をとってやろう、と。
 何年、何十年かかってもいい。そのために、自分が死ぬことになろうとも。
 いつか、必ず――。
 身体を揺さぶられる衝撃と、相棒の叫びに、灼き切れかけた青年の意識は復元された。急速に晴れていく視界に、セイバータイガーの姿が映る。
「――――動けぇっ! アスールッ!」
 冷たい汗を流し、胸元を掻きむしりながらも叫ぶ。自身の身を砲火にさらしながらも、動きをとめた相棒。苦痛に呻く自分のために、これ以上の負担をかけまいとする、その心遣いに感謝しつつも、ロイスはあえて命じた。
 動け、と――。
 それは、生命が削りとられていく速度を、さらに加速させる行為に他ならぬ。と、青きコマンドウルフが、困惑と悲しみの混ざりあった鳴声を上げる。
「俺に構うな! 俺が死んでも、お前は戦えっ!!」
 酷なことを言っている自覚はある。だが、それでも、命じなければならなかった。自分のために、千載一遇の好機を逃すようなことがあってはならぬ。
 さらに二度、三度と被弾し、アスールの口から悲鳴が発せられる。
「アスール――!」
 苦痛を忘れ、紺の髪の青年は悲痛な叫びを上げた。
 と、鋭い風切り音が、その場にいた者たちの聴覚をかすめる。半瞬の間をおいて、落日色の閃光がセイバータイガーたちの背に弾けた。
 何事かと確かめるよりもはやく、アスールの横を一陣の風が走り抜けていく。碧水の狼の姿をした風は、セイバータイガーの脇腹に体当たりを喰らわせる。そのまま四肢に力を込め、身体を捻り上げるように捩った。漆黒の虎の口から狼狽の叫びが洩れ、次の瞬間には、コマンドウルフよりも一回りは大きな身体が宙を舞い、砂塵の上に横転している。
『こちらガーディアン・フォース民間協力者、アゼル・ラグナ。聞こえているかい、コマンドウルフ』
 外部スピーカーから洩れてくるのは、聴き覚えのない声であったが、その名前だけは知っていた。主にトーマの口から、その名はよくこぼされていたと思う。ロイスは少しだけ苦痛の和らいだ胸元を押さえ、通信機のスイッチを入れる。
「……ああ、聞こえる。こちらは、コマンドウルフ・アスールと、そのパイロット・ロイスだ。そちらは――」
『いま言ったとおり、ガーディアン・フォースに協力している者さ。立場的にいえば、アーバインやムンベイと似たようなものかな』
 笑みを含んだ声は少々高めだが、ロイスとさほど年齢のかわらない青年のもののように思えた。
『事情は知っている。――キミはアイアンコングの元へ!』
 言葉を投げかけながらも、碧水のコマンドウルフは動いている。怒りに燃えるセイバータイガーの攻撃を、全て紙一重でかわし、的確に自身のそれを命中させている。乗り手も機獣も、ともに歴戦だ。それはロイス自身が、若くして幾多の戦場をくぐり抜けてきたからこそ、わかることだった。
 彼らなら、この場を任せても大丈夫だろう。瞬時にそう判断すると、紺の髪の青年は一度大きく深呼吸し、操縦桿を握った。一秒だって無駄にはできない。
「すまん!」
『――武運を祈っているよ』
 すれ違いざまに、投げかけられた言葉。思わずそちらを顧みた紫水晶に、キャノピーの向こうで穏やかに笑う青年の顔が映った。
 青き狼たちが無事に走り去るのを見届け、アゼルは視線を持ち上げた。鮮やかな碧水の双眸の先で、横転していた漆黒の虎が、よろよろと立ち上がる。
『貴様……たかがコマンドウルフの分際で――!!』
 憤怒にまみれた叫びに、民間協力者である青年は瞳を眇めた。相棒と同色の双眸に鋭い光がたたえられ、口元には珍しく好戦的な笑みが刻まれる。
「その台詞、後悔させてやる」



                             ……To be continued.