パリのコンサバトリー


パリには、道路に面して建てられている建物が数多く存在します。
美しい街路樹の通りもありますが、地区によっては、建造物で
囲まれた緑の少ない道路が続き、公園を見つけるとホッとする
ところもありますね。

でも意外にも、多くの庭好きのパリジャンが緑を楽しんでいます。



住民の開けた大きなドア越しに中をのぞいてみると、
建物の配置にもよりますが、緑の広がっている中庭の
見える時があり、きっと納得されることと思います。

ガラス張りのコンサバトリーは、そんな中庭に面し、食事を楽しむ
ダイニングsalle à manger になっています。



パリの冬は太陽の見えない日が続き、実際に住んでみると、
太陽の光いっぱいの春が待ち遠しいパリジャンの気持ちがよくわかります。

中庭の緑と光が、心を和ませるご馳走なのですね。

冬のコンサバトリー




 フランスではコンサバトリーのことを、ヴェランダverandaと呼ぶことが多い気がします。

 日本では、庇つきのバルコニーのことをベランダと呼びますが、
 フランスでは、母屋から部分的に張り出た下屋を指すことが多いようです。




 また、ジャルダン・ディヴェールjardin d'hiver という言葉をご存知でしょうか?

 貴族の屋敷では、ガラス天窓で中庭全体を覆って、温室のようにした
 植物のある空間を、「冬の庭」と呼びました。

 子供たちが遊んだり、寒くて暗い冬に明るい光を生活に採り入れる工夫をした
 のだと思います。


 ムーリスホテルのレストランの名前で、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。





 私は、パリのル・グラン(グランドテル)を思い出します。





   今は、改装をして、幾分カジュアルなホテルになりましたが、昔は、すてきな
   マダムがおしゃべりを楽しんでいて、本当に社交界独特の雰囲気が漂う空間でした。

   写真は、改装後のラ・ヴェりエール
   La Verriere「ガラス張りの大屋根」という名前のラウンジです。

   私はオペラ座あたりへ行くと、ここでひと休みして、ショコラショーをいただきます。
   人がさほど多くないので、ゆっくりできます。