ミクロマンとアリカ…(幼女編)
第1話 アリカと五人の異星人
……もう、どのくらい時は過ぎたのか?
地球での教官の勤めを終えて、イザム達と合流したアーサー。
「久しぶりの地球だ…」
そう、総統アクロイヤーとの戦いが終わって、やく5年後…。
「もう耕平達は年寄りだろうか…」
「そうとは限らないぞ? あの子達はそう簡単に老けない」
地球を見つめるアーサーを励ますように言うイザム。
耕平達にとっては大きなお世話かもしれないが。
「まあ、孫とかはいそうだけどな」と、明るく言うウォルト
「おいおい…耕平達はあの時は25ぐらいだったんだからまだ孫はいないだろ?」
耕平達の今の年を考えているアーサー達にツッコミを入れるオーディーン。
「さあ、着地するのである!」
そう言ってエジソンは、操縦桿を握り、宇宙船は地球へ降り立つのだった…。
「着いた…風景は少し変わったが七王子だ…」
そう、この町は自分達の大好きな人…耕平が住む町…。
「真悟達はどうなっているんでしょうかね?」
辺りを見回すイザム。
その時。
「ハアハア…」
「「「「「!?」」」」」
五人の視線の先には4、5歳くらいの子供が走っている。
「…耕平…!?」
そう言ったのはアーサー。
「おいおい! あれは女の子だぞ!?」
子供の元へ走ろうとしたアーサーを止めたウォルト。
「そうか…? 面影が耕平に似ていたから…」
「でも…確かあの先は耕平の研究所だったな」
イザムは少女の走って行った方向を見つめる。
「久しぶりに…耕平の所へ行ってみようぜ? アーサー!」
ポンッとアーサーの肩にウォルトは手を置いた。
「……そうだな。では、行ってみよう!」
そう言って、少女の後を追いかけるアーサーだった。
しばらく進んだ後に、耕平が勤めている研究所へたどり着いた。
「ここも何年ぶりだろうな…」
「ああ…ん!?」
そう言って上を見上げようとするエジソンは何かに気づく。
「ああああ! 危ないのである!!」
「何っ!?」
上を見ると、先程の少女がゆっくりと窓へ登っている。
「お転婆なようであるな…早く止めなければ落ちるのである!!」
「わ、わかった!」
アーサーは急いで少女の後を追う。
しかし、落ちるどころか、窓を叩き始める。
「今度は割る気であるか!?」
いや、違う。
誰かを呼んでいるようだ。
そこへ…。
「どうしたんだ?」
誰かがその窓を開ける。
そう、その人物こそ…。
「耕平…!」
その人物を見て、驚くアーサー。
少し年とっていたが、それは紛れもなく久磁耕平だった。
「耕平おじさま!」
少女は嬉しそうに耕平に抱きつく。
「アリカちゃん、今日は幼稚園じゃなかったのかい?」
幼い少女・アリカを抱きかかえる耕平。
「うっ…実は…逃げて来たの…」
「はっ?」
「「「「「はい!?」」」」」
驚く耕平とミクロマン達…。
「だって…みんなが…耕平おじさまやお父さまの悪口言ったから…」
アリカは幼稚園から逃げ出した理由を話しながら泣き出す。
「悪口? どんな?」
「あのね…おじさまやお父さまは悪い宇宙人の味方で人間の…裏切り者だって…違うのに…ミクロマンはいい人達なんでしょぉ…?」
それを聞いた耕平は優しくアリカの頭を撫でる。
「でもアリカ…悪口言った子をおこらなかった…だっておこったりしたらさらに…」
「そうか…大丈夫だアリカちゃん。おじさん達は平気だ。気にすることなんかないんだぞ」
キュッと姪を抱きしめる耕平。
その時、祐太がやってくる。
「おや、アリカ!」
「あ、お父さま!」
父の姿に気づくアリカ。
「ゆ、祐太の娘だったのか!?」
これに驚いたのはオーディーン。
「祐太、まさか…」
今までアリカに微笑んでいた耕平だが、突如真剣になる。
「ああ…奴らの残党がまだ…」
「くっ…! 真悟達に連絡をしてくれ!」
「真悟お兄ちゃま達に会えるの?」
叔父の顔を見つめるアリカ。
「ああ、もちろんだ」と、アリカに優しく話しかける耕平。
「お兄ちゃま…? あ、あいつらもう15だっけな…」
ウォルトはふっと真悟達を思い出す。
「でも…本当にいいのか? 兄貴…」
「ん? 何が?」
「だって…兄貴は今のままでいいと思っている…でも…アリカは本当は…兄貴の…!」
何かを言いかける祐太。
しかし…。
「祐太。奴らの狙いは俺なのだから、俺と一緒にいたら彼女は巻き込まれてしまう。だから、お前に託したんだ…」
そう言ってアリカを祐太に引き渡す。
「あれ!? おじさまどっか行っちゃうのぉ!?」
またアリカがぐずりだす。
「アリカ…耕平おじさまは忙しいからな、後で遊んでもらいなさい」
そう言って祐太は娘の頬を撫でる。
「はーい…」
少々残念そうに答えるアリカ。
「また後で、真悟兄ちゃん達と遊ぼうな? アリカちゃん」
またアリカの頭を撫でる耕平。
「うん…!」
耕平に微笑みかえすアリカ。
「う〜ん…アリカちゃん可愛いぜぇ…」
ポーッとアリカに見とれるウォルト。
「おいおい…」と、言いつつもイザムもアリカを見つめる。
「来ているんだろ? ミクロマン!」
耕平は大声でアーサー達を呼ぶ。
「知っていたのか? 耕平!」
「ああ、久しぶりだな。俺の姪のアリカを紹介するよ」
そう言って耕平は自分の姪を紹介する。
「娘の久磁亜梨花だ!」
祐太はミクロマンに自分の娘を見せる。
「ミクロマン…?」
「ああ、そうだよ。よろしくアリカちゃん!」
元気良くアーサーは挨拶した。
「うん! アリカよ、よろしくね!」
アリカも五人の異星人に挨拶したのだった。

