新潟県南蒲原郡田上町の方言 (ま〜ん、* 〜)

禁無断転載


方言

共通語

使用例または説明

まーれぃ、まるっこい

丸い

丸いの訛ったもの

まがりがね

さしがね

大工道具の差し金、形状そのものからきている

まき

族、血統、家系

「あそこの まき は んな できがいいね」(あそこの家系は皆が良くできますね)

まきめ

つむじ

巻目の意味か?

まける

安く、値切る

「その茄子たーけぇけちっとまけれて」(その茄子高いので少し安くしてください)

まごたろむし

蛇トンボの幼虫

さいかち川上流などの清流の石の下に住む、成虫はトンボに似るが蝶のような立派な触覚がある

まごつく

戸惑う

「おまぇさん何まごついてるかね」(あなたは何を戸惑っているのですか?)

またじにならねぇ

どうにもならない、始末にならない

「おれが責任者になっても またじにならねぇねっか」(私が責任者になっても どうにもなりませんよ)

まだらっこい

もたもたした様

「おめーさんの仕事まだらっこて見てらんねぇて」(貴方の仕事はもたもたしていて見ていられません)

まっかてっか

真っ赤か

「おめぇさんのほっぺた まっかてっか らねぇっか」(あなたの頬は 真っ赤っか ですよ)

まつぜみ

チッチ蝉

松蝉、松の先の部分でチッチッと鳴く、平野よりも高い場所に生息する小型の蝉

まつぼんこ

松ぼっくり

「ぼんこ」は丸くて小さい玉や、赤ん坊を指すときもある

まねぐ

摘み取る(まだ小さい時に摘む)

「なっぱ まねぃできたっけ けーて」(菜ッ葉を摘みとってきたので食べてください)

まねこき

人まねする人

真似する人の意味

まま

崖,境界の段差

「崖まま」とも言う。(真間)かつての大和言葉が残った。万葉集に真間の手古奈として葛飾の真間がある

ままこい

葛湯なとが失敗した様

粉と水をかき混ぜたときにブツブツした粒子がてきた状態

ままなき

どもりの人

吃音の人

まむし

親指の関節をかくかくとできる様

「まむし できる人は でぇてぇはつめらね」(まむし できる人はたいてい器用ですね)

まら

まだ

「荷物まらつかねぇね」(荷物がまだ着きませんね)、まだの訛ったものか?、

まるっけ

丸い

丸いの訛ったもの、まるまっこいとも言う

まんじょ、まんじょこ

女性性器

名詞のみで動詞としては用いない

まんじょがい

カラス貝

淡水産の大型の貝

まんじょはさみ

ミズカマキリ

かつて、低学年は男女共に水着を付けずに川や水溜りで泳いだので、これが見つかると大騒ぎをした

まんま

ご飯

炊いたご飯は必ず木製のおはちに移した、水分が木に移ってまずくならない

まんましゃもじ

ご飯しゃもじ

汁用はおつゆしゃもじ

竹や木の皮で編んだ農具、穀類の実と殻ゴミなどを分離するのに用いる、アイヌ語の(muy)と同じ意味だがタミル語とも共通する

みかげいし

花崗岩

花崗岩の産地名(産地は六甲南麓、積み出し港が御影浜)が石の名前になった、御影は神戸市東灘区御影にある

みがでた

中身が出た

主に昆虫などを潰して内臓の出た様を言う

みず

針のめど

「みずに糸を通す」(針のあなに糸を通す)みずはめどの訛り

みずぐるま

水車

かつて、山田地区だけでも6軒の水車を持つ家があり、数では他の地区を圧倒していた。

みずばた

水際

「海ばた」は海際

みそすりばち

すり鉢

大豆を潰して味噌を作ったことから来る、かなばちとも言う

みそすりぼう

あたり棒

山椒の木で出来たものが上等とされているが、最近はこの棒にするような山椒が見つからない

みちまわり

道草

道周り

みつばち

ハナアブ?(不詳)

ミツバチ大の刺さないハチ、子供の頃、菜の花畑で捕まえて真っ二つにして薄黄色の蜜袋を出し、これを舐めた、アブかも知れない

みつまた、とりあし

トリアシショウマ

山菜、紙の原料であるみつまたと異なる、先端が三つに分かれているので鳥足とも言う、胡麻和えにする。トリアシショウマ (鳥足升麻)ユキノシタ科の多年草。

みのせぇがねぇ

とても心配な様、どうしょうもない

「ぼぼが ねぇてばっかいて みのせぇがねぇて」(赤ん坊が 泣いてばかりいて どうしょうもありません)

みば

見た目

「その格好 みばわーれて」(その格好は 格好悪いですね)

みみぎのこ

スギヒラタケ

耳茸、杉の切り株や杉皮の腐朽した部分に生える白色耳状で群生する茸、醤油汁に良く合う。正式名スギヒラタケ、原因は不明であるが腎臓疾患の人は急性脳症を発症することがある。酸性雨に含有する、硫黄や鉄が関係し、中国の急速な工業化と時期はずれに鉄を含む黄砂が巻き上がり、日本海側に到達した時期と関係しているのでは?。降雨と晴れのタイミングもその成分の濃縮に関係するものと思われる。

みみくそ

耳垢

耳糞の意味

みよける

孵化する

鳥、魚、蛇など卵から孵化するものはすべて「みよける」になる

みれ

見ろ

「ほら虹がでたっけ見れて」(ほら虹が出たから見なさい)

みんな

見るな

見るなの訛ったもの

みんみん

ミンミンゼミ

鳴声そのものが名前になった

むかぜ

むかで

むかでの訛ったもの

むしろ

呉座

ござ、畳表と同じもの

めー

「おめえさんの めー おっきぃね」(あなたの 目は 大きいですね)

めーね

見えない

見えないの訛ったもの「くうろてめーねね」(暗くて見えませんね)

めーる

お参りをする

参るの訛ったもの

めぐせぇ

恥かしい

「こんげ派手な服めぐせーて」(こんなに派手な服は恥ずかしいです)

めくらしょうぶ

しゃが、射干

アヤメ科の常緑多年草、日陰の斜面などに群生しアヤメよりも小型の花が咲く

めぐせぇがり

恥かしがる人

人目を気にする人

めっかち

斜視

差別用語

めっこ

左右の目が異なる様

「めっこ」は片ちんばの意味か?

めっこめし

芯のあるご飯

炊き損じて芯のできたご飯

めっぱち

ものもらい

目にできるものもらい、目鉢の意味で鉢は乞食を意味するとの説もある、長野県では目乞食と言う場所がある

めんよう

綿羊、この地に羊が初めて入ったのは昭和十年代の後半

もうぐれ

ぼける様

「あのじじもうぐれたみてぇらね」(あのお爺さんは惚けたようですね)

もうぐれ咲き

季節外れの花

もうぐれはボケたの意味、「時知らず」と言うとてもきれいな言葉もある

もうそこき

ほらふき

妄想を言う人の意味か?

もうて

器用

「もうてがいい」(器用だ)、舞う手から来たのか?

もうてなし

不器用な人

「おめえさんもうてがなぇねー」(あなたは不器用ですね)

もーぞー

寝ぼける

「なにもーぞーこいてるね 顔でもあろぅてこいね」(何を寝ぼけているのですか 顔でも洗ってきなさい)

もぐ

もぎ取る様

「こら、わとこの柿もいだな」(こら私の家の柿をもぎ取ったな)

もくもく

エノコロ草

俗名エノコロ草、穂がもくもくしている様からか?

もぐらもち

もぐら

「もぐらもち送れや佐渡の島まで送れや送れや」としたもぐら送りの歌があった、田上はアズマモグラの勢力内にある

もくろじ

ムクロジ

ムクロジ科の落葉潅木、種は羽子(羽子板の羽)の核に使用する、田上は「む」と「も」が逆転することが多い

もげる

取れる、脱落する

「どーしょばね人形の足がもげたて」(どーしましょうか?人形の足が取れてしまいました)

もしかあんにゃぁ

流産した後の長男

場所よっては次男の意味もある(?)。私の兄は時々「もしかあんにゃぁ」と呼ばれていたが、次男の自分はこのように呼ばれたことは一度もなかった。

もじける

人見知りする

「おめぇさんの ぽぽ ばかもじけるねー」(貴方の 赤ちゃんは 大変人見知りしますね)

もじな

むじな

狸の言葉はマンガなどの空想の動物として認識されていた

もぞ

蝉の幼虫

アブラゼミの幼虫が多い。抜け殻は「もぞの殻」と呼ぶ

もたせ

珊瑚状の茸

ねずみもたせ、ほうきもたせなどの茸に用いる

もちぐさ

よもぎ

笹だんご、草餅などの材料、節句には魔除けとして屋根の隅に菖蒲と共に差した

もっちらもっちら

ゆっくりと

「おめぇさん もっちらもっちらと しゃべるね」(あなたは ゆっくりと しゃべるね)

もの

腫れ物

「ものができたらドクダンの葉貼ると直るってね」(腫れ物ができたらドクダミの葉を張ると直るそうです)

もりっこ

子守りする様

「ぼぼぶって もりっこらかね」(赤ん坊を背負って 子守りしているんですか?)

もろー

貰う

「水もろんねろかね」(水を貰えませんか?)

もん

人、物

「よそもん」(よその人)、「瀬戸もん」(瀬戸物)、「きもん」(着物)

もんじゃくる

ぐしゃぐしゃにする

「かんべーねー子供が本 もんじゃくったて」(子供が本を ぐしゃぐしゃにしたので許してください)

やきばん

焼判

金属製の判を焼いて下駄や銭湯札などに押して印を付ける道具

やくっさま

薬師様

薬師様の訛ったもの、田上町田上にあり、行基菩薩の作と言われる薬師如来像がある

やけっぱち

やけど、

「焼け火箸の先さわってやけっぱちしたて」(焼け火箸の先をさわって火傷をしました)

やし

てきや

縁日なとで興行したり、物売をする人

やす

魚を突く漁具

棒の先に鉄製のモリを付けた漁具、カジカなどを突く時に用いる

やせうま

荷物を担ぐ補助具

荷物を担ぐときに用いる木製の補助具、小型のはしごに似ている

やち

耕作できない湿地

田下駄を履いてもぬかって耕作しにくいところ、耕地整理によって有効利用されるようになった、谷地は当て字で本来はアイヌ語から来ているとの説もある

やっとこすっとこ

やっとのことで

「雪道 歩くのが てーへんで やっとこすっとこ ここまできたて」(雪道を歩くのが大変でやっとの事で ここまで来ました)

やつめ

ヤツメウナギ

かつてはどこの川でも採れた、田上で体長20cm以上のものは見たことがない、薬効があり鳥目に効くと言われている。ビタミンAが多く含まれていると思われる。

やねふき

屋根職人

かつての屋根職人は葦屋根の職人を指した

やのあさって

明々後日

やばこき

強引な人

「おめぇさん やばこきらて」(あなたは 強引ですね)

やまゆさん

山遊山?

男の節句に菱形の餅を持って山を回る、丈夫な子供になると言われている

やめる

痛い

「腹がやめる」(腹が痛い)、「頭がやめる」(頭が痛い)のように用いる

やれっまか

無理やり

「やれまっか べんきょ しても 成績あがらねぇて」(無理やり 勉強しても 成績は上がりませんよ)

やわっこい

柔らかい

「この豆腐やわっこいねぇ」(この豆腐は柔らかいですね)

ゆうはん

夕ご飯

夕飯

ゆきおろしかんなり

降雪前の雷

降雪の前に鳴る雷、11〜12月に多い、落ちる心配は少ない

ゆきかき

雪降ろし

屋根から雪を降ろす様、こしきと呼ぶシャベル状木製の道具を用いる

ゆきげた

雪下駄

足の指先部分に防寒用の覆いをつけ、さらに歯の部分に金属製のすべり止めを付けた下駄

ゆずりは

譲葉、交譲木

正月の松飾りに添える木

ゆもじ

女性用腰巻

湯文字

ゆりね

百合根

山百合(鬼百合など)の球根、茶碗蒸しや煮物に入れる

ゆんべ

昨夜

夕べの訛ったもの

よー

魚のうおが「いお」に訛りさらに「よー」と訛ったものか?

よーきたね

いらっしゃい

「遠けぇのによー来たね」(遠いのによくいらっしやいました)

よーごと

たわごと

「んな 何 よーごと ゆーてるや」(お前 は 何 たわごと 言ってるのか)

よーされ

夜更け

真夜中、今の午前様の時間を指す。四更の意味でかつては夜の時間を五つに分け、四更は午前2時頃を指したらしい

よーた

酔った

「へー 酒 よーたかね」(もう 酒に 酔ったのですか?)

よーつり

魚釣り

「よー」は魚の意味

よーとった

寝小便をたれた

このよーも魚の意味のようだが寝小便との関連は不明

よーなった

良くなった

良くなったの訛ったもの

よーなべ

夜仕事

夜鍋の鈍ったもの

よーのま

茶の間

よー(湯)の間の意味か?

よーぼうちょう

出刃包丁

よー(うおが訛った)は魚の意味で、魚包丁のこと

よーまめ

足の裏にできるたこ

肉刺、鮭の卵を熱したものと似ているためか?

よーまめ

鮭の卵を加熱したもの

魚の豆の鈍ったもの、鮭の卵を加熱すると白色の固い玉になる、茶碗蒸しやノッペに入れた

よーれ

容易、簡単

「そんげがんよーれらて」(そんなのは簡単です)

よーれでねー

大変だ

「雪いっぺーふったっけ ゆきかきよーれでねーね」(雪が沢山降ったので 雪かき大変ですね)

よこずち

藁を打つ道具

藁を打つための専用の道具、円柱の中心に持つための柄が付いた器具

よごんどり

与小右衛門通り

県道と交わる小須戸方面への道路、与小右衛門通りの訛ったものと母から聞いている。慶安5年5月16日の吉沢家文書に納御年貢米之事山田与小右衛門の記載がある。

よし

耕地整理前までは葦薮が方々にあり、農家のほとんどは葦屋根だった

よせどうふ

おぼろ豆腐

豆乳をにがりで固めたものを型に移して固める前にどんぶりなどの容器で掬い取った豆腐

よったかる

集まる、群がる

「また よったかって わーれことしうな」(また 集まって悪い事 をしそうですね)

よつであみ

竹と網で作った漁具

竹を十字に組み合わせ、四隅に網を張ったものを水中に入れ、引き上げたときに魚を採る漁具

よっぱら

たくさん、飽きた

「この本よっぱらなったて」(この本は沢山読んだので飽きてしまいましたよ)

よっぴら

夜中

「よっぴら あたけて 何してたね」(夜中の間 騒いで 何をしていたのですか)

よのみ

杉の実

緑色の丸長の杉の実、よの実鉄砲の弾にする

よのみでっぽう

杉の実を弾にした玩具

内径2mm位の竹筒に杉の実を入れ、細い竹ひごで突くと紙鉄砲と同じ原理で弾が飛ぶ、秋の子供の遊び道具

よばれる

招待される

主に食事に誘われるときに使う

よひかり

宵っ張り

「よひかりの朝寝坊」(宵っ張りの朝寝坊)

よむ、よんだ

熟す、熟した

「柿がよんだっけもごぅて」(柿が熟したから採りましょう)、「熟れているから呼んでいる」の意味なら大変きれいな言葉なのだが?

よろぶち

囲炉裏

四炉縁の意味か?

らいすかれー

カレーライス

ライスカレーとカレーライスは同じものを指すが、場所によって語順が異なる、粉のカレー粉から作った

らっぱそり

荷物用の大型ソリ

雪道用の荷物運搬用大型のソリ

ろくすっぽ

ろくに、十分でない様

「あの八卦おき ろくすっぽ あたらねぇて 」(あの 易者はろくに 当たりません)

ろくっさま

六所神社

田上町山田にある六所神社(大己貴命(おおなむちのみこと)が祭られている)の呼び名、長治年間創立、文化8年再造と言われている。

わーとこ

私の家の

「わーとこの犬が噛んだかね」(自分の家の犬が噛んだのですか?)

わーれ

悪い

「またわーれことしたな」(また悪いことをしたな)

わーれかったね

ごめんなさい

「時計ぼっこして、わーれかったね」(時計壊して、ごめんなさい)

わきったま

脇のほうから

「わきったまからボールが飛んできてぶつかったて」(脇のほうからボールが飛んできてあたりました)

わたいれ

どてら

綿を入れた広い袖のある着物

わってぇ

これも男性だけでなく女性も使う、元は加茂弁 *保明生まれの酒井様から

わろー

笑う

「どうして わろーたかね」(どうして 笑ったのですか?)

わろー

笑う

「そんげわろーと入れ歯が取れるねっか」(そんなに笑うと入れ歯が取れますよ)

動詞の前の「を」を抜く

「まんま 食う」(ご飯を食べる)、「夢見た」(夢を見た)の例のように動詞の前のをを抜く

んだ

駄目、いや

「あそこ行こぅって」「んだらて」(あそこに行きましょう)(いやですよ);東北弁の肯定の意味の「んだ」と異なる

んな

全部

「酒飲んで んな ぜんつこぅたて」(酒のんで 全部 お金を使ってしまいました)

んな

おまえ

「んな なって死ね!!」(おまえ なんて死んでしまえ!!)主に下層の人に向かって使う言葉であり、「んが」になると更に蔑んだ言い方になる

んま

すぐに

「んま けーるて」(すぐに 帰りますよ)

んま

馬の訛ったもの

んまかご

馬かご、竹製方形の入れ物

魚屋、反物屋などは皆このかごに商品を入れて、かごを担いで売りに着た

んめー

美味しい

「この刺身 んめーね」(この刺身は 美味いね)

んもそげ

美味そう

「その蟹 んもそげらねー」(その蟹 うまそうですね)

んもねえ

美味くない

「このまんま くっそて んもーねーね」(この飯 臭くて 美味くないですね)

〜かね

〜でしょうか?

「おっかねぇ顔してるれも いい人らかね」(怖い顔をしているのに 良い人なんでしょうか?)

〜かも

〜らしい

「雪いっぺーふってきたっけ 汽車が遅れるかも知らねぇ」(雪が沢山降ってきたので 汽車が遅れるかも知れません)

〜がん

〜もの

「そんげ、おめーがん 持っていったら疲れるてー」(そんなに、重いものを 持っていくと疲れますよ)

〜がんね

〜のに

「遠けぇがんね、よーきたね」(遠いのに、よくいらっしやいましたね)

〜くれてー

〜ください

「もうちっと あっちょしてくれて」(もう少し 熱くしてください)

〜くんなせー

〜下さい

「その西瓜 くんなせーて」(その西瓜 ください)

〜げ

〜そう

「かーるげ」(軽そう)、「んめぇげ」(美味そう)、「きれーげ」(嫌いそう)、「きれーげ」(美しそう)

〜こく

〜する

「へをこく」(屁をする)、「嘘をこく」(嘘をつく)

〜こて

〜でした

「死んだこて」(死んでしまいました)

〜こて、こてね

〜ですよ

「おめぇさんのこと好きっなったこて」(貴方のことを好きになったんですよ)

〜しそげ

〜しそうだ

「泣きそげら」(泣きそうだ)

〜しもぅた

〜してしまった

「行ってしもぅたて」(行ってしまいました)

〜しゅー

〜する

「また喧嘩しゅーかね」(また喧嘩するのですか?)

〜すけぇ

〜だから、〜ので

「おめぇさん んま 嘘こくすけぇ きれーらて」(あなたは すぐに 嘘をつくので 嫌いです)

〜せー

〜しなさい

「勉強せーて」(勉強しなさい)

〜せーや

〜しなさいよ

「勉強せーや」(勉強しなさいよ)「せー」よりも強く無理に押し付ける意味を含む

〜せてー

〜して下さい

「そうせてー」(そうして下さい)

〜せば

〜したらよい

「そうせばいいて」(そうしたら良いですよ)

〜だ、だね

〜するのですか

「そんげ化粧してどごいぐんだね」(そんなに化粧をしてどこへ行くのですか?)

〜たって

〜ても

「そんげ化粧したって ろくに いとしげならねぇて」(そんなに化粧をしても たいして かわいくなりませんよ)

〜っけぇ

〜ですから

「んめーっけぇ くてみれて」(美味しいですから 食べて見てください)

〜って

〜とは

「おめぇって 生意気 らね」(あなたは 生意気ですね)

〜て

〜です

「おめぇさんのこと きれーらて」(貴方を 嫌いですよ);嫌いと綺麗は微妙に発音が異なるがよその人は区別し難い

〜てぇ

〜したい

「おら おめぇさんの嫁になりてぇて」(私は あなたのお嫁になりたいです)

〜てがんね

〜したというのに

「あんげ世話したてがんね忘れたかね」(あんなに世話をしてあげたのに忘れましたか?)

〜てね

〜のようです

「あの人、おめぇさんきれーみてらてね」(あの人、貴方を嫌いのようです)

〜てば

〜したい

「おら おめぇさんの嫁になりてぇてばて」(私は あなたのお嫁になりたいです)「てば」は「てぇ」より強い意味になる

〜てや

〜だそうです

「あの人しんしょ持ちらってや」(あの人はお金持ちなんだそうです)

〜なさる

〜する(敬語)

「もう帰りなさるかねー」(もうお帰りになりますか)

〜ねー

〜ない、〜をしない

「そんげ仕事 してぇねーて」(そんな仕事 したくありません)

〜ねぇろ

〜しないでしょう

「この子 死なねぇろか」(この子供 死なないでしょうか?)

〜ねっか

〜だったのに

「試験受ければいかったねっか」(試験を受ければよかったのに)

〜ば

〜したら

「そーせば いいて」(さうしたら 良いですよ)

〜ばか

〜位、〜ばかり

「それ ちっとばか くれて」(それを 少しばかり 下さい)

〜ますぇね

〜のでの敬語

「雪が降てますぇね 汽車が遅れるろね」(雪が降っているので汽車が遅れるでしょう)

〜らー?

〜ようですか?

「真っ赤らー?」(真っ赤ですか?)

〜らこて

〜ようですよ

「本気らこて」(本気のようですよ)

〜らっけ

〜だから

「そーらっけ、やっぱりだめらね」(そうだから、やっぱり駄目でしょうね)

〜らって

〜ですよ

「本気らって」(本気なんです)

〜らねぇ

〜でしょう

「雪いっぺーふってきたっけ汽車遅れるかも知らねぇ」(雪が沢山降ってきたので汽車が遅れるかも知れません)

〜るって

〜ですよ

「雪が降ったっけ汽車が遅れるってね」(雪が降ったので汽車が遅れるのだそうです)

〜れば

〜ならば

「ねぇたれば これくれたて」(泣いたら これを頂きました)

〜れも

〜けれども

「おっこられたれも かんべしてもろたて」(怒られたけれども 許してもらいました)

〜れや

〜しなさい

「ぼっこれたっけ ぶちゃれや」(壊れたので 棄てなさい)

〜ろぅ、〜ろぅね

〜でしょう

「きっと野球負けるろぅ」(きっと野球は負けるでしょう)

〜ろか

〜でしょうか?

「この松茸たーけぇろかね」(この松茸高いでしょうか)

〜わっか

〜したばかり

「このお湯 沸かした わっか らっけ あっつぇてぇ」(このお湯は沸かしたばかりなので熱いてすよ)

〜わっか

〜だけ

「酒わっか飲んでると体こわすて」(酒ばかり飲んでいると体を壊しますよ)

〜んなぇ

〜できない

「風邪ひいたっけ がっこ いがんねぇて」(風邪をひいたので 学校へ 行けません)


更新日2007/9/15

作成 長谷川 彰

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