人魚姫の未来




            夢を見て 恋をして 声も過去も捨てて

             海の上へ 陸の上へ 空の下へ…


    海の底で ずっと憧れてた陸は  夢と恋ばかりの楽園じゃなかった


   あなたに逢うため 夢に生きるため  声と引き換えに 手に入れた足

      けれど今 海の底に居た方が 傷つかずに済んだと知った



             身も心も 渇いてしまいそうになる

              海へ還りたい  水に浸りたい


    辛いことばかり 悲しみばかりで  泳ぎながら ふと空を見上げて

       その刻に 陸に憧れた理由 未来への夢思い出した



           どんなに辛くても  どんなに悲しくても

       風の音  雲の声  雨の歌  月と星と太陽の曲がある

           闇の中で輝く光  決してひとりじゃない



             涙流すため 海へ行きながら

             それでも 陸で生きていく私を

       暖かく そっと抱きしめてくれる 優しい優しい空がある