想いが呼ぶかたち  <後編>





 天の朱雀の口から出た「冗談」が、紛うことない真実だと判明したのは、星の姫の館に到着してから
のことであった。出迎えてきた者は三人。龍神の神子である少女・高倉花梨と、星の一族の姫・紫、
そして――。

「――占(せん)を行った」

 一同を出迎えた陰陽師の青年の、その第一声がこれであった。

『は?』

 四色の双眸が瞬く。一体何の話だ。四人の胸中で、全く同じ言葉が呟かれる。

 彼らの反応から、自身の言葉の足りなさを感じたのか、地の玄武・安倍泰継は語をつけ加える。

「大体の話は神子たちから聴いた。そこで私なりに事件を調べてみたのだ」

 その「調べてみた」ということが、「占を行った」ということなのだろう。納得すると、四人は頭痛にも
似たものを覚える。余計な手間を省き、必要最低限の行動で物事を進めるのが、眼前にいる青年
なのだとわかっている。わかってはいるが、これはいささか省きすぎではないだろうか。

「なら、最初からそう言ってくれ。結論だけ言うな」

「わかった。以後は気をつけよう」

 ほとんどため息混じりに勝真が言えば、しかつめらしい表情で泰継は頷いた。といっても、常の表情
とさしてかわりはなかったが。

「それで、占いの結果はどうだったんですか?」

 空癒の少女が気をとりなおしたように問う。すると陰陽師の青年は、少しばかり眉をひそめたようだ。

「式盤(ちょくばん)には、怨霊による懸想と嫉妬と現れていた」

 私にはよくできない感情だが、と続く言葉を聴きながら、はちらりと視線を横に滑らせる。案の定
というべきか。僧兵見習の少年が、無言で天を仰いでいた。





「怨霊や妖の類は、本来夜行性。おそらく、今夜のうちにまた襲撃があるだろう」

 という地の玄武の言葉に、一同はまたも小野邸への道を歩く羽目になった。月明かりを受けて、道に
伸びる影は五つ。誰に言われるまでもなく、泰継も同行している。

 足早に歩きつつ、勝真たちは小野邸での出来事を語った。泰継は口を挟むことなく聴いていたが、
怨霊の姿が誰の眼にも映らなかったということには、わずかに表情を動かす。

「完璧に隠形するなど、そうそうできることではない」

「でも、何にも視えませんでしたよ」

 がそう言えば、陰陽師の青年は思案顔になる。

「……直接遭遇してみなければ、確かなことは言えぬが、屋敷そのものに怨霊が同化している可能性
もある」

「なら、屋敷ごと吹っ飛ばせばいいのか?」

 何という率直で、荒っぽい発想だろうか。純粋に疑問を口にするイサトの横で、勝真は口元をひきつら
せる。もしも地の玄武が是と応えようものならば、この弟は本当に屋敷を破壊しかねない。

「そこまでする必要はない。屋敷から追い出せばすむことだ」

 勝真の心配をよそに、泰継はどこまでも淡々とした口調で言った。

 と、五人の歩みがほぼ同時にとまった。吹きつけてくる夜風に、かすかだが瘴気が混ざっている。五本
の視線が素早く交錯し、三人の八葉と二人の少女は走り出す。距離と方角からして、瘴気の発生地点は
間違いなく小野邸だ。

 それまでは妹姫のいる対屋(たいのや)だけを襲っていた嵐が、今夜になって屋敷全体を覆っていた。
屋敷内の各所で悲鳴と怒号が飛びかい、荒れ狂う風が家具を薙ぎ倒す。真っ先に現場に到着したイサト
の足元に、うなりを生じて飛来した燈台が斜めに突き刺さった。

「どわぁっ!?」

 天の朱雀は思わずたたらを踏み、若々しい頬をひきつらせる。いくら燈台といえども、勢いさえのれば
人体を貫くことなど造作もない。当たり所によっては、最悪の場合死に至るだろう。

 何とも涼しい気分を味わった少年の横を、一陣の風が恐れる色もなく走り抜けていく。泰継は飛来して
くる御簾や脇息を無造作に払いのけ、庭の中央に立つ。主屋から対屋をぐるりと眺めわたし、声を張り上
げた。

「風を抑える! 、その間に屋敷の周囲に結界を張れ!」

「はいっ!」

 胡桃色の髪の少女は呼吸を鎮め、屋敷と敷地内を囲む結界を創生する。この間に、勝真たちは昏倒
した小野家の家人たちを庭の隅へと運び出した。怨霊退治の渦中に、何の力ももたない人々を放り出し
ておくわけにはいかない。

「昭親と妹姫はっ……!?」

 家人たちの中に、同僚とその妹の姿がないことに気づき、地の青龍は色を失った。するとが主屋に
続く渡殿(わたどの)を指差した。

「あそこですっ!」

 折り重なって倒れている二つの影は、ぴくりとも動かない。勝真とイサトの体内で、心臓が跳ね上がった。
脳裏をかすめる最悪の想像を振り払い、先ほどよりは少し弱くなった風の中に身体を踊らせる。治ったば
かりだった四肢にまたも熱い痛みが生じるが、そんなことに構ってはいられない。

「昭親っ! しっかりしろっ!」

 イサトがやや乱暴に幼馴染みの肩を揺する。その傍らに膝をついた勝真は、兄妹の首筋に手をあてて
脈を確かめた。幸いどちらも息はある。気を失っているだけのようだ。ほっとしたのも束の間、屋敷全体に
怒りに満ちた叫びが轟く。

「何だか、霞姫から離れろ、と言っているみたいですねっ……!」

「ああ」と頷こうとして、勝真は声の主を見直した。風になぶられる頭髪は、夜空の一部を切りとったような
紺色。若葉色の瞳を懸命に開けている少女に、地の青龍のみならず、天の朱雀まで瞠目した。

っ!?」

「お前、どうやってここにっ!?」

「風の中を突っ切ってきたに決まってるじゃないですか!」

 何でもないことのように言い切る少女の身体は、二人の八葉と同じような状態だ。袖がズタズタに裂け、
手首にはめた腕輪が忙しく揺れている。

「馬鹿! 何て無茶をするんだ!?」

「無茶は承知。それに、勝真さんたちだけで、どうやって二人を運ぶんですか!?」

 ぐっと勝真は返答に詰まる。全く彼女の言うとおりだった。平時ならばともかく、自分とほぼ同じ背丈の
成人男性と、少女ひとりを強風の中から連れ出すのは相当難儀だ。いくらイサトがいるにしても、彼と二
人で昭親を運び出すので手一杯であろう。

「この中を往復するなんて、いくら勝真さんとイサトくんでも無理ですよ! それに、たとえ一時的でも、
どちらかを置き去りにするわけにもいかないでしょう!」

 猛る風に負けまいと、の声は自然と大きくなる。

「私のことならご心配なく! いまは昭親さんと霞姫のことだけに集中して下さい!」

 乳兄弟は朱の線が描かれた顔を見あわせ、微笑とも苦笑ともつかぬ笑みをこぼした。一見するとどこ
にでもいそうな娘だというのに、なかなかどうして、思いきりのよさはいっそ清々しいぐらいだ。

 地の青龍は頬から流れる血を煩わしげに拭い、不敵に笑った。

「よし、妹姫はに任せる。イサト、俺たちは昭親を」

「おう!」

 勝真とイサトがそれぞれ左右から昭親の身体を支え、が幼い姫を胸に抱く。すると、そうはさせぬ、
とばかりに、怒号が轟いた。まとわりつく風が呼吸を阻み、三人は思わず顔をしかめる。

 泰継は胸元にさがった首飾りを片手にからめ、屋敷を睨み据える。

「――謹請し奉る……!」

 陰陽師の青年の身体から、凄まじい霊力があふれ出し、辺りに充満する瘴気を掻き消していく。彼の
傍らで、愛用の錫杖を片手に身構えていたは、間近で感じる気の奔流に声もなく感歎した。同時に
藍の双眸を細める。

 ――泰明さん……。

 泰継の姿に、瓜二つの青年のそれが重なった。懐かしさと切なさの欠片が、音もなく少女の心に転がり
落ちてくる。百年の時を隔てた向こうにいる、先代の地の玄武――。こんな時に、というのはわかっている。
わかってはいるが、彼のことを思い起こさずにはいられない。彼もきっと、いま頃はあかねとともに戦って
いるのだろう。

「私も、負けられない――!」

 再びあの時代に、あの人の元に還るまで、自分もここで力の限り戦う――!

 泰継の詠唱とともに、屋敷から黒い霧のようなものがあふれだしてくる。空癒の少女は『翠嶺』を両手で
握り直した。あれこそが、小野兄妹を苦しめる怨霊ではないか。

 陰陽師の青年が神呪(しんじゅ)を紡ぎ終えるのと同時に、柏手を二回打った。それを合図としたように
黒い霧が庭へと落ち、蠢きながら輪郭を整えていく。

「――鎌鼬……!?」

 双眸を眇め、正体を見極めようとしていたの口から、その名がこぼれた。だが、自分たちの見知って
いる鎌鼬とは、細部が異なるようだった。何より、感じる邪気と瘴気が段違いに強い。

「……ついでに言うと、腕の数も多いぜ。いくら何でも、六本は多すぎだろ!」

 こっちは二本しかないんだぞ。昭親の身体を家人たちの傍に寝かせたイサトが、彼なりの評価を怨霊に
下した。いささか注目すべき点が間違っている感は否めないが。

 地の青龍は朱の線の描かれた顔に、やや呆れた色をおびる。

「あのな、イサト、算術で勝負が決まるのなら、そもそも怨霊相手に勝てるわけないだろうが」

 もっともな言い分である。相手が人型の怨霊ならばいいが、化け蜘蛛とかを相手にする場合はどうすれ
ばいいのだ。あれは手足が八本もあるではないか。

「わかってるよ。でも不利なのは本当だろうが」

「それは、まあ、そうだが……」

 乳兄弟が緊張感に欠ける会話を展開している横で、泰継とは鎌鼬と対峙している。漂ってくる気に
顔をしかめたのは、地の玄武である。

「血臭がする。この鎌鼬は人肉を喰ったことがあるな。他の鎌鼬に比べて力が強く、姿形が異なるのも
そのためか」

「ということは、これは怨霊というよりも、異形や妖に近い存在に……?」

「そうなる。怨霊ならば神子の封印で浄化すべきだろうが、これにはその価値はない」

 泰継の、左右で色の異なる双眸が冷たい光を宿すのを、空癒の少女は認めた。

 たちが泰継と出逢ってからの日はまだ浅い。最初のうちは本当に先代の地の玄武と瓜二つで、何度
「泰明」と呼びそうになったかわからぬ。が、時間を共有していくうちに、いくつか泰明と違った面も見えて
きていた。最も大きな違いのひとつが、怨霊や異形、妖に対する考え方であろう。泰明は怨霊の類は「何で
もあれ祓うものだ」という考えの持ち主であったが、泰継の方はやや寛大だ。時には、彷徨う怨霊の話を聴
いてやるほどに。しかし、そんな彼でも、人肉を喰らい、無辜(むこ)の者に害をなすような異形を見逃すこ
とはできない。八葉としても、陰陽師としても。

 鎌鼬の濁った眼が動き、庭の隅にいる人間たちを、特に兄の傍に横たわる幼い姫を映して輝いた。薄く
開かれた口から、怨嗟(えんさ)の呻きにも似た声が洩れ出す。

『――ヒメ……ヨコセ……』

 霞の傍で身構えていたは、背筋が寒くなる思いがした。懸想は懸想でも、あの異形の場合は、人の
それとは異なるように感じられた。どうにも血生臭い想像しかできない。

 と、同じことを思ったのか、勝真が薄ら寒い表情をつくる。

「喰いたいほど愛してる、ってところか。これは、ますます姫をやるわけにはいかなくなったな」

 そこで時見の少女を一瞥し、声をひそめる。

「泰継たちを援護する。できるな」

 言外に、はずすなよ、と言われ、は『蒼穹』を召喚して笑った。

「努力します」

「そうしてくれ」と声なき声で言い、地の青龍もまた愛用の弓を構えた。微笑みあう二人を眺めやり、僧兵
見習の少年がやや羨ましそうな顔をしていたのは、また別の話である。

 鎌鼬が吼えた。と泰継が反射的にその場から飛び退れば、一瞬まで彼らがいた場所を六本の腕が
薙ぎ払う。地面がえぐれ、土砂が舞い上がる。そのまま逃げた二人を追うかと思いきや、異形は身体の
向きを転じた。

「――ちゃん!?」

 めぐらせた視線の先に親友を認め、は声を上げていた。

 突進する異形が目指すのは、霞以外の何者でもない。彼女の前に立つ少女を力任せに排除すべく、
鋭い鎌のついた腕を振り上げる。と、そこへ勝真の長身が滑り込んだ。

「寄るな!」

 裂帛の気合が不可視の壁となって、鎌鼬の身体を跳ね飛ばす。空中で悶える異形に向け、陰陽師の
青年が五芒星を描いた。

「縛魔!」

 鋭く語を放ち、五芒星を描いた手を振り下ろす。すると宙にいた鎌鼬が、透明な腕に引きずられるように
地面に落下した。鎌鼬は奇声を発し、何とか縛魔の法から逃れようと地面をのたうつ。

「イサトくん!」

 空癒の少女が力を解放する。送り込まれた力を受け止め、天の朱雀は錫杖の先端で地を打つ。小環が
厳粛な音を鳴り響かせた。

「燃えあがれ! 火炎陣!」

 弾けるような音とともに、異形の身体が炎に包まれる。耳障りな叫喚が一同の耳朶を叩く。だがそれでも、
霞の方へと腕を伸ばそうとしたのは、もはや執念としかいいようがない。じりじりと前進する六本の鎌を見、
今度は時見の少女が力を解放した。

「勝真さん!」

 自分の中に入り込んでくる力を感じ、地の青龍は左腕を掲げる。

「とどめだ! 召雷撃!!」

 降り注がれた青き雷が、鎌鼬の身体を粉微塵に打ち砕いた。





 はらはらと紅葉が舞う。

 星の姫の館には、小野兄妹の事件に関わった者たちが勢揃いしていた。あれから三日が経ち、被害を
被った件の兄妹もだいぶ落ち着いたらしい。先日には勝真の元に文が届けられ、そこには今回の件に
尽力してくれた全ての者たちに、よくよく礼を伝えて欲しい、と丁寧に綴られていた。暇な時にはぜひ遊びに
きてくれ。妹と一緒に待っている、とも。

「しっかし、はた迷惑な奴だったなー」

 簀子に片胡座をかき、イサトは拾った紅葉の一枚を指先で弄る。

「惚れた相手を喰おうだなんて、何考えてんだ、って感じだぜ」

「そのあたりが、人と異形の違いなのかもしれないわね。想い方はそれぞれだから、本当のところはわか
らないけれど……」

 火桶に手をかざしながら、が複雑そうに笑ってみせる。種族の枠をこえて心を通わせる、といえば、
さも美しい話に聞こえるが、今回はそうではない。一方的な想いの押しつけの上に、相手を苦しめるような
真似までしたのだから、現代でいうところの「ストーカー」のようなものだ。

「ひょっとしたら、本当の意味でひとつになりたかったんじゃない? だって食べちゃえば、身体の一部に
なるわけだし。ある意味で、一石二鳥でしょ」

 恐ろしいことを平然と言い放つを、僧兵見習の少年は何やら言いたげに眺めやる。もそうなのだが、
どうもこの少女たちは奇妙なかたちで肝が据わりつつある気がする。だが、そんなことは口には出さない。
環境が環境なのだから、仕方がないだろう。

 と、泰継が得心のいった顔で頷く。

「人肉は異形たちにとっては、何にも勝る餌だ。喰らえば力も増す。なるほど、の言うことは理にかなっ
ている」

「真面目くさった表情で、そんなこと言わなくてもいい」

 勝真は微苦笑すると、イサトの隣に座る。あいかわらず寒々しい格好だ。

「と、そうだ。改めて、今回の一件、みんなには感謝している。おかげで助かった、ありがとう」

 仲間たちの顔をひとつひとつ見やり、地の青龍は頭を下げる。頭を下げられた方は、というと、何をいま
さら、とばかりに笑って応えた。自分たちは仲間なのだから、助けあうのは当たり前だ。改まって礼を言う
必要などないのに――そう、どの顔も語っている。

 無言の言葉を正確に理解し、勝真は口元に淡い笑みを刻む。と、そこで何かを思い出したように、若葉
色の瞳をした少女を手招いた。

、ちょっといいか」

「はい? 何ですか?」

 小首を傾げながら傍にやってきた少女に、勝真は座るように視線で促す。はますます首を傾げなが
らも、素直に傍らに腰を落とした。京職の青年は懐から一輪の白い花をとり出すと、彼女の紺の髪に挿し
てやる。

「ここにくる途中でみつけた。――似合ってる」

 優しい声と表情で言われ、時見の少女は自身の頬が熱くなるのを感じた。この青年は、なかなかどうして、
時々大胆な言動も平気でとるから困る。

「……ありがとう、ございます。その、嬉しいです」

 あまり男性からこういったことをしてもらった経験がないだけに、余計に恥ずかしいような、嬉しいような気
分になる。

 そんな二人のやりとりに、誰よりも触発されたのは、天の朱雀である少年だ。ちらりと視線を移動させれば、
胡桃色の髪の少女は好ましいものを見るように双瞳を細めているではないか。だが残念なことに、イサトは
全くの手ぶらだった。

「――

「ん? どうしたの、イサトくん?」

 微笑む藍の双眸に逡巡しつつも、少年は手に持っていたものを差し出す。

「……ごめん、これしかない」

 それは、先ほどまで彼が弄っていた紅葉だった。は双眸を瞬かせ、やがて桜の花がほころぶような
笑顔を浮かべる。

「ありがとう、大事にするね」

 形など気にすることはない。本当に嬉しいのは、その心なのだから。

 言葉どおり、大切そうに両手で紅葉を受けとった少女に、イサトはやや頬を上気させながら曖昧に頷いて
みせた。

 と、それらの情景を黙然と眺めていた泰継は、確かな笑みを口元にたたえる。先日の小野兄妹を巻き
込んだ事件の際には、想いというものを厄介だと感じたのだが――。

「――誰かを想うというのは、存外よいものなのだな……」

 彼には想いというものが、否、そもそも心というものがよくわからない。いつか、わかる日がくるだろうか。
そうすればきっと、いま自分が感じている、あたたかな気持ちにも説明がつくだろう。

 吹き抜ける風に、庭を埋め尽くす色とりどりの葉が一斉に舞い上がった……。




                      ――Fin――




 <あとがき>

・初めての流転短編、いかがでしたか? 本編では上記のお話ほど、皆さんの仲はよくありません(^^;)
ちゃんにしろ、ちゃんにしろ、信用されないし、むしろ過去から厄介事をもってきた連中……みたいに
最初は思われるので。時代が時代だから、というのもあるでしょうが、遙か2の皆さんは、「誰かを信じる」と
いうのをちょっと忘れてる気がするんですよね。
 お話の時期としては、乳兄弟がちゃんとちゃんを好きになってからです。その頃にはみんなとの
信頼関係も築けているし、八葉同士の仲もよくなっている、はずです; 楽しみにして下さっている皆様には
申し訳ありませんが、流転本編を公開するのは、もうしばらく先になりそうです。それまでは、こういった
短編の方で我慢して下されば幸いです。本当にすみません。
 ここまで読んで下さって、ありがとうございました。

                              2006.6.14    風見野 里久